■ 抄録・要旨
| 現在、水田で使用されている農薬は100種類以上に及び、散布された農薬が水田から流出された際に、農薬の水田からの流出や消長に関する研究が数多く報告されている。ブロモブチドは水稲を対象とした除草剤として使用されており、その分解生成物の一つにブロモブチド脱臭素体がある。そこで、本研究では、田面水及び土壌におけるブロモブチドとブロモブチド脱臭素体濃度の変動について報告した。
ブロモブチド及びブロモブチド脱臭素体は、田面水及び土壌において異なる濃度変動を示した。また、ブロモブチドの水田における土壌吸着係数を求めたところ、農薬散布後から分配平衡に達するのに長い期間を要することが確認された。このことから、その疎水性(logPow=3.46)から推察されるより高い水田外への流出ポテンシャルを有する可能性があることがわかった。
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